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梅田神明宮

東京都 足立区 梅田6-19-4



 祓い修行とは


 私どもが励行している祓い修行は、江戸時代に井上正鐵霊神が編み出し、人々に伝えた息の鍛錬であり、精神を修める行法です。何ら難しいものではなく、ただ、ひたすらに「とほかみえみため」という日本古来の三種祓詞を大きな声で唱え続けることが中心となります。正座が基本ですが、補助の座椅子もご利用いただけます。

 梅田神明宮に隣接する唯一神道禊教道場で行われているこの修行は、以前は三泊の泊り込みでございましたが、現在は多忙な皆様のご都合を考慮して一日の修行とし、これを計三回修了することで、以前行われていた三日間の修行の成就に相当するとの指針を定めております。

 最初のうちは羞恥心でなかなか大きな声は出せないものですが、やがて自分の殻を破り、我を忘れて精一杯の大声を出せるようになるでしょう。そのまま腹式呼吸により、腹の底から大きな声でひたすら唱え続けます。それがこの修行の肝となります。

 そして適宜休憩をはさみながら何度もこの祓い行を繰り返していくうちに、ある境地へといざなわれることでしょう。

 「大音大功徳(だいおんだいくどく)、小音小功徳」という言葉の如く、その境地に至るには、声が枯れ尽き果てるまで、可能な限りの大声を発し続ける必要があり、まさに己との戦いになります。

 その境地に至った時、えもいわれぬ感覚に目覚めることでしょう。修行者の中には、感謝や喜び、あるいは悔恨の心に打ち震え、自然と涙が湧き出てくる人もおられるほどです。

 近年、「涙活」ブームに見られるように、「情動の涙」の研究が注目されているところですが、まさに修行によって心身が清められ、感涙とともに「穢れ」が洗い流され、癒されていく様子を、ご自身の体験として正鐵霊神は説いておられます。

 このことを私たちは「禊(みそぎ)」と表現しております。「禊」と言いますと、水を浴びて身体の外側から心身を清める禊のほうがよく知られていますが、このように呼吸法という身体の内側の作用によって心身を清める禊もあるということです。

 しかしながら、そのようなことを常に意識して修行に臨まなければならないということはございません。むしろ、いったん頭の中を全て白紙の状態にして、先入観のないニュートラルな気持ちでご参加いただくほうが望ましいでしょう。

 また、ご無理をなさらなくても結構です。特にご高齢の方はご自分に合うペースで進めてまいりましょう。途中で体調の異変などがございましたら、どうぞ遠慮なくお申し出ください。

 正鐵霊神の遺されたお歌の一つに、「何事も 知らで とほかみ 唱ふれば 護らせたまふ 天照神」というものがございます。ともかく気軽に、理屈抜きに、この祓い修行を体験してみてください。そして、皆様とともに素晴らしい体験を共有していただければ幸甚に存じます。