神 道 と は
悠久の歴史
日本は古来、幸運にも他民族の侵略を受けず、ほぼ単一の民族によって生活が営まれ、伝統を育んできました。神道とは、はるか大昔から同じ大地で受け継がれてきた祈りの文化であり、その象徴がまさに二千年以上の歴史を有する皇室の存在です。
外国にはこのような宗教文化はありません。大海原に囲まれた日本と違い、陸続きに等しい外国では異民族同士の戦争や宗教戦争が繰り返され、同一の言語と文化を持つ同一の民族が同じ地域(国)をはるか古代から現在に至るまで長きに渡って治め続けたという歴史がないのです。
しかし、私たちのご先祖様たちは、太古の昔からずっと、この日本の国土の成り立ちと共に、途切れることなく、ただひたすらに感謝の儀式を捧げて参りました。この素朴で純粋な祈りそのものが神道の根源と言えると思います。
一神教との違い
神道には難しい教義や教典が存在しません。理屈ではなく、自然な気持ちで感謝を捧げるというスタイルです。 厳格な教義や教典が存在しない神道だからこそ、日本は血みどろの宗教戦争を経験せずに済んだのかもしれません。
対照的にキリスト教徒やイスラム教徒などは宗教戦争を繰り返してきました。一神教ゆえ、他の神様とは並び立たないからでしょう。自分たちの神と、その教えこそ唯一の正義だとする思想では、どうしても他の宗教を受け入れることができません。
一神教とは異なる儒教、仏教、道教も、中国の歴史の中では必ずしも円満な相互関係に恵まれていたとは言い難く、時として互いに影響し合いながら発展を遂げつつも、しばしば深刻な対立や弾圧が引き起こされています。
仏教伝来と神道
日本においても、仏教伝来の当初、様々な葛藤や衝突が起こったことは事実ですが、やがて仏教を積極的に受け入れるようになります。そして神道を守り伝えながらも、同時に仏教も信仰すべきという思想が生まれ、定着したのです。およそ1400年も前の出来事です。
その当時発布された「十七条憲法」や「仏法興隆の詔」では仏教を崇敬するよう命じ、さらに「敬神の詔」では神道を崇敬するよう命じていますが、同時に複数の宗教を信仰することを公式に奨励した国は、現在に至るまで他に例を見ません。
和の精神、感謝の誠
そのような国民性ゆえ、日本人は神様を敬いつつ、お寺参りで手を合わせ、クリスマスも国民行事のように盛大にお祝いし、最近ではハロウィンの祝祭も大流行しています。まさに森羅万象、あらゆる神様、八百万の神たちを敬い、調和を重んじる日本人だからこそ、このような習慣が可能となっているのです。これこそ神道の精神であると言えるのではないでしょうか。
そのように私たちは外国から多様な文化を受け入れつつも、古来、受け継がれてきた日本人共通の原点を決して見失ってはいません。その原点とは、素朴で純粋な感謝の念にあります。はるか昔から今日に至るまで、親から子へ、子から孫へと何代も何代も、いつも感謝の誠を捧げ、その同じ思いを絶えることなく受け継いでいるのです。